« 歴史は繰り返すのか… | トップページ | ご注意日 »

2012年11月 6日 (火)

ご質問

【愛と情の違いを細かく考えるとわからなくなることがあるのですが、どちらを優先すべきなのですか‥】との問いについて

あまり複雑に細かいところのみに引っかからないで頂きたいと思います。物事は何でも断片ではなく「全体」が見えるということがとても大切だからです。

このご質問は卑近な例をあげるのがよいのではないかと思います。私の家のご近所にはちょうど同じ年のお年寄りと同居なさっている娘さんがいらっしゃるご世帯が二軒あります。これがどちらも愉快なご家族でいつも笑わせて頂いているのですが、一つのところのおばあちゃんは娘さん(と言ってももう還暦を超えられているのですが)とても優しく母親思いでご近所でもああいう娘さんと同居出来て羨ましいと言われています。ほんとうに何から何まで世話を焼いて実の母親に過保護というコトバは適切ではありませんが、もうおばあちゃんは何もしなくてもいいというご家族です。

もう一方のおばあちゃんは、これは私の顔を見るたびに、娘さんの愚痴を聞かされます。そのおばあちゃんの娘さんともよくお話をするのですが、とてもひょうきんな方です。「死ぬまで親不孝したるがな‥」といつも冗談を言っておられます。ここのご家庭は出来ることは全部おばあちゃんにしてもらうそうです。
ご自宅におじゃましに行った時にわかったのですが、ここの娘さんは、人の見えないところにはとても配慮されていました。台所のキッチンはおばあちゃんの背丈に合わせて作り直してありますし、お布団も上げ下ろしのしやすい、とても軽い羽毛でできた最上級のものでした。お風呂場もおばあちゃんの安全を考えた配慮がされておりました。おばあちゃんのために相当お金をかけているなぁ、と思いましたし、何よりも細かい部分を常に注意深く観ている方だと思いました。
ここのおばあちゃんの愚痴というのは、娘さんがおばあちゃんの必要なものをおばあちゃんが背伸びしてとれる高さにしまっている、ということでした。そしてたまに、とってちょうだい、と言っても自分で頑張ってとれ!!と言うそうです。娘さんはと言うと骨が弱くならないよう背筋を伸ばす運動をさせているのだそうです。

そういう二つのご家庭があるのですが、あれから月日が流れてみますと、娘さんが何もかもしてくれるところのおばあちゃんは痴呆が入ってきてここ最近は家庭でみるのが大変になって、ご家族との話し合いで施設を検討しているとのことです。もう一つのご家庭のおばあちゃんは90を少し過ぎても未だに頭がシャープだし、自立した生活を送られているのです。

ここでわかることは愛というのは「生かす」という目的があるものであり、愛情というのは人間生活によって育まれる潤滑油のようなものであるということです。よく言われることは情に振り回されず、愛になれ、と言われます。これは結論的には正しいことであります。実際にあちらの高級霊の方々は肉体がありませんし、もう何千年もあちらの世界にいらっしゃる方々は人間的な情の部分はなく、愛そのものになっております。

これは私の個人的な見解でありますが、私は三次元に肉体を持っておりますし、まだまだ修行過程でありますから、愛そのものになりきる、ということは未だ出来ていないのであります。ですので現時点での私の見解としてはちょうど、愛と愛情のバランスが大事なのではないかと思っております。やはり人間としての温かさも大切ですし、相手を生かすということも大切です。このバランスをとることそれが現時点で大切だと考えております。

ただ、注意点がございます。それは情にあまりにも引っかかる場合、それは人から冷たい人だと思われたくないとか、人の目ばかりを気にするようになりますと、そこには自己保身があります。これは無意識にしている場合がありますね。
その時の点検は苦しさがあるかどうかです。そこにしんどさがもしあるのなら、ひょっとしたら、それは人のためではなく自分の保身のためにしているのではないか、そういうことを点検してみる必要はあります。

このブログでも以前書いたことがございますが、出口王仁三郎師はこのように仰っております。

『誠の信仰は、人の目より見て不信仰に似たり。

不信仰は信仰に似たるものなり。

誠の親孝行は、人の目より見て不孝に見ゆることあり。

不孝はかえって孝行に見ゆることあり。

誠の親切は、人の目より見れば不親切に似たり。不親切はかえって親切なるごとく見ゆることあり。

真の善なる行状は、人の目より見て悪のごとく見ゆるものなり。悪はかえって善なるごとく見ゆるものなり。

真に智慧あるものは、人の目より見て愚かなるごとく見ゆるものなり。愚かなる人はかえって智慧あるごとく見ゆるものなり。』

この御言葉は考えれば考えるほど奥の深いコトバでございます。

           出雲 拝

« 歴史は繰り返すのか… | トップページ | ご注意日 »

コメント記事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1282412/47747988

この記事へのトラックバック一覧です: ご質問:

« 歴史は繰り返すのか… | トップページ | ご注意日 »